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まろみ工房主

Author:まろみ工房主
ルアー製作を趣味とする男。
趣味が嵩じて、オリジナルを世に送り出すことを決意。
その名も、まろみ工房
第一弾は「あかまる」。ズバリ、自信作!
モノ作りに燃えて突っ走る、埼玉在住のアングラーです。
「まろみ工房」本サイトにも、ぜひいらして下さい。
連絡先もそちらにあります。

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DATE: CATEGORY:映画
拝啓 ウィル・スミス様



原作「地球最後の男」の理念を捨て、オレ様バンザイ映画に変わり果ててしまったあなたの映画「アイ・アム・レジェンド」ですが、それだけでは理解出来ない事がありました。

それは、なぜ社会性の見えたダークシーカーたちが、最後は獣のような行動に落ちてしまったのかという事です。
あなたを捕まえる為に罠を仕掛け、仲間の救出の為にあなたを尾行し、リーダーらしき人物の指導の元で襲撃するダークシーカーたち………間違い無く、彼等には社会性が芽生えているようなのに…。
この辺りの伏線はまったく回収される事なく、唐突なエピローグが付いて一方的に幕が降ろされます。
変です。こんな脚本あり得ません。


この答えは、映画評論家の町山智浩さんが、監督のコメントとして公開した情報から明らかになりました。
それはズバリ、
「この映画のラストは、差し換えられている」
という事です。



なんとこの映画は、一度キチンと完成したにもかかわらず、会社がそれを見て気に入らなかった為、急遽後半を撮り直したとの事でした。それならそうと言ってくれればいいじゃないですか。隠しちゃダメですよ。
ともあれダークシーカーの社会性が放り出された事にも、これなら合点がいきます。きっと始めは伏線も解決されていたのでしょう。


では一体、最初に用意されたお話はどんなものだったのでしょう?
どうやら、次のようだったと分かってきました。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
映画のラスト。
獣だと思っていたダークシーカーたちは、彼等なりのルールのある社会を築いている事が分かる。それを見て愕然とする主人公。
そうなのだ。もはやこの星の価値観は逆転しており、彼等こそが普通であって、一人で夜な夜な殺戮をする主人公こそ、社会を歪める存在だったのだ。
「かつて滅んだはずの伝説の化物"ニンゲン"が、俺たちを殺しに来るんだ…気を付けないと。」
ダークシーカーたちにとって、主人公はもはや伝説(レジェンド)だったのである。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



なるほど。

これならすべて納得です。原作の理念のバッチリ生きたラストであり、僕も多少の事は目を瞑って拍手を送っていたでしょう。
歴史上、価値観の逆転善悪の転換何度も起こってきた事です。それを理解して生きろよ…と。これまでの2度の映画化でも共通していたテーマですね。ただ、それぞれの時代でその転換の要因が違うだけです。


1作目は、伝統や階級文化が若者によって崩壊し、時代遅れになる恐怖でした。
2作目は、ヒッピーや黒人による新しい文明創造によって、それまでの白人文化が崩れる様を示唆したものでした。

じゃあ、この3作目は…?


町山さん情報によれば、どうやら本来はイラク戦争を示していたようです。
孤軍奮闘するあなたは、正に海外で戦う米軍兵士の姿。ひとり強力な武器を持ち、周りを恐れ、ひたすら殺戮を繰り返してしまう…。そのターゲットは言葉の通じないダークシーカーたち…そう、言葉や文化の違うイラク兵やテロリズムを指しているのでしょう。
あなたが闇雲に戦う中でどんどん孤立していき、嫌われていく様を通して、今のアメリカがどんな風に見られているのかを伝えようとしていたのですね。
だから舞台はニューヨーク〜グランド・ゼロ〜であり、あなたの飼い犬は軍用犬に多いシェパードだったと。
ますます合点がいきます。
アイアムレジェンドポスター
ニューヨークひとりぼっち。



これで通せば良かったのに、なんで変更したのでしょう。
自分を戒め、かえりみる事がそんなに悪い事でしょうか。否、そんな訳ありません。自分を見つめるのは大切な事。そして、例え自分が理解出来ない人たちであっても、対話する気持ちを持つ事も大切。一方的にシャットダウンするのは良くない事です。
今の米軍はまさしくこの状態、だから争いは終わらない。それに気が付け…という最高の仕上がりになるチャンスだったのに、残念でなりません。
勿論これらは、僕らの社会生活にも置き換えられる大切な要素だと思います。


でも、他の人と絡んだ芝居をすると必ずオーバーになり過ぎるあなたですから、この「ひとりぼっち」っていう設定は案外、性に合っていたのかもしれませんね。



………実はもうひとつ、どうしてもあなたにお話したい事があります。それは、この映画をホラーとして考えた場合の演出についてです。
僕はかなり疑問を持ってます。

それは、一昨年見た「ある映画」に起因する事なのです。



(まだ続く)

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