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まっきー@牧野晃洋(まろみ工房の主)

Author:まっきー@牧野晃洋(まろみ工房の主)
ルアー製作を趣味とする男。
趣味が嵩じて、オリジナルを世に送り出すことを決意。
その名も、まろみ工房
第一弾は「あかまる」。ズバリ、自信作!
モノ作りに燃えて突っ走る、埼玉在住のアングラーです。
「まろみ工房」本サイトにも、ぜひいらして下さい。
連絡先もそちらにあります。

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DATE: CATEGORY:映画
警告:
今回の日記は映画内容に関し、出来るだけネタバレをしないようにしました。が、ゼロではないので御勘弁を。
そして、オシャレ雑誌等の紹介では恐らく意図的に隠されていたであろう事柄に触れています。
特にお食事中の方は充〜分ご注意下さい。

警告したよ? 警告したからね?
んでは20行下よりスタートだ。




















まずは簡単なあらすじから。
スウィーニートッドチラシ
デップの歌は気の毒な出来でした。天は二物を与えないのね^^;。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
19世紀ロンドン、フリート街。
理髪師のベンジャミン・パーカーは悪徳判事タービンの策略によって無実の罪で投獄され、妻と娘を奪われる。
15年後、脱獄を果たしたパーカーは"スゥイーニー・トッド"と名乗り、フリート街へと舞い戻る。しかし妻は毒を飲み、娘はタービンに囲われ養女にされていた。
復讐に燃えるトッドは、彼を慕うミセス・ラベットのパイ屋の上に理髪店を開く。あいつを仕留める為に…。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

………と、多くのメディアで語られるのはこのぐらい。一番大切な情報が、スッポリ抜け落ちています。
つー事で続きをどーぞ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
トッドの理髪店に行った者は、誰も帰って来なかった
と同時に、下のラベットのミートパイ屋は大繁盛するようになる。

………………
それって、もしかして………。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



えぇ、お察しの通り。
そーゆー事で〜〜す。
僕はここまで知っていたので何てこたぁ無かったのですが、気の毒なのは知らずに来ちゃった人※1)。
隣のお兄さん、ホットドック買ってきたのはマズかったねぇ^^;。あなたが凍り付いたのがハッキリ分かってしまいました。この辺りの描写は結構容赦がなくて、知ってリゃ笑えるけど知らなきゃ地獄、「デップ様〜」なんて来た人は大ダメージを受ける事となります。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
語弊があるかもしれませんが、登場人物はすべて狂ってます。人間のあらゆる狂気が、各人物を通して具現化されているのです。

家族を奪われた復讐の為、無関係の人物の喉元を切る事になんのためらいもなくなった男。
金と男を繋ぎ止めるため、人間を食材にしてしまう女。
性欲を満たすために、(血が繋がらないとはいえ)自分の娘と結婚しようとするジジィ。
自分の権威欲のために、同業者を揺すり、少年虐待をする理髪師。
正気を保つ為に酒を飲み続ける少年。
もはや知人をも見分けられなくなった女。


等々…。
クライマックスに向け、それぞれの狂気と愛情は残酷さを増していきます。人間の一番異常な部分を歌い上げ、発狂していく様を滑稽に魅せるのです。何が正しいとかじゃなくて、一途な思いが偏って振れた姿をあますトコなく見せる事で、人間という存在自体を問うています。
さすが元々はホラーミュージカル、舞台らしい戯曲だよなぁ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


僕、こーゆー人の可笑しさを問うていくモノって結構好きなんです。
でもね、今回ダメだーー。
「マイノリティへの愛情」が感じられないのです。
ティム・バートンだからそこに期待するんだけど…。彼にとってはこのトッドもラベットも大好きな「鼻つまみ者」のはずなのに、全ての行動が右から左へぜーんぶ流れてっちゃう感じ。ただヘンなだけで、切なさハジける心理描写がされてません。正直言って、どうしてそこまでトッドが殺人鬼になれたかに明確な理由を見て取れないのです。判事さえ仕留めればいいハズなのにねぇ。
#結末がかなり早い段階で読めてしまったのも興醒め。登場した途端に「あぁ、コイツは(自主規制)」と分かってしまったが為に…。つーか、バレバレだよねアレ?


どーしちゃったのさティム先生?
どーしよーもない連中への愛情があってこそ(残虐な)喜劇として成立すると思うのですが、これじゃ雰囲気とパッケージのみ作り込んでいるだけ。要するに、だ〜れにも感情移入出来ないのよ。

僕が見たいのはやりきれない者たちのラプソディだったんだ。運の悪い男の狂気じゃないんだって。
あぁ、「バットマンリターンズ」のペンギンのような、ブ男の哀愁&胸が苦しくなるぐらいの切なさを味わう事は、もう出来ないのだろうか…(※2)。


どうやらかなり原作戯曲に忠実らしいのですが、時間の関係でだいぶ端折っているようです(元は3時間強)。全部知ると違うのかなぁ…。いや、あの描写じゃ全部揃ってもあんまり変わらない気がするなぁ…。

残念無念、ガッカリでした。あぁぁ………。
もうバートンも変わっちまったって事か。



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P.S.
多くの人は人肉ミンチでかなりやられていたようですが、僕は割と平気でした。
むしろキツかったのは、初っ端でミセス・ラベットがゴキブリの這い回る調理台でパイを練っているトコ^^;。何匹か生地に混ざっちゃってたし………。うぉーー、キツい。
この映画、一番面白いのは最前列で後ろを向いて、観客席を見る事かもしれん^^;。

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※1 劇場が明るくなった後、「ポップコ−ン食えなくなっちゃったよ」とか「変な映画だったね…」という声があちこちから聞こえてきました。実際、「しばらく肉が食えなくなった」という方はネットを見てもチラホラといるよーです。

※2 これを言ったら友人から「そんなバートンは居なくなったんだよ」と。そうかもしれんなぁ…。
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Comment

 バットマン リターンズについてですが、傑作だと思うしマイ・フェイバリットであることを断った上で敢えて言いますが、あのペンギンの描写は一方的に「どうして自分を愛してくれないんだ」とねだるだけの身勝手な幼児性と背中合わせです。一人の映画人の作品史のなかであれを描き続けることを健康なこととは思いません。もうバートンは大人になってしまった、そういう意味ではもうあのときのバートンは戻ってこないのです。
 バートンの作品の中でスウィーニー・トッドと対比できるのはやはり魔王が町に怪異をもたらす物語のミュージカル「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」でしょう。あれもストーリーは図式的で、キャラクターのドラマとしては大したことは起こらないです。

バ−トン版「ターンエー」

うん、それはそう思う。
でも、その幼児性が良い方向に解消されないまま大人になっちゃったのかなぁと思うのです。あの時のペンギンは止まったまんま、そこをキッチリ脱皮していく姿を観たいのですが…。
今回、僕はそれを感じ取れませんでした。大人の感覚になったというより、何つーか「冷めてんなぁ」とか「シラケてんなぁ」ってのが正直な感想だったのです。
色々考えてみたけど、僕は、富野監督が「∀ガンダム」で(例え一瞬でも)脱皮した、あの感覚を味わいたいんだと思うわ。

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